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実家の母親は料理が好きではなくて、子供の頃から食べている親の味といえば、父の作る卵焼きだったし、おにぎりだし、今でもそう。みそピーナツやしそ味噌、ねぎ味噌など昔からあるおかずがほとんど。

わたしに一番最初にクッキーというものの存在を教えてくれたのも父で、父が食べたかっただけなのかしら、お菓子作りの本を買ってきてくれたのだ。クッキー作りに必要なものは近くの農協スーパーで手に入ったから、しょっちゅう作っていたのを覚えている。工程でわからない言葉が出てきたら父に聞いたのも。

おにぎりと卵焼きは今でも姉ともども好物で、帰省の際は孫らも食べたいというくらいになっていて、その父の作ってくれたもののなかでは、炒り豆腐も好きだった。野菜は入らず、豆腐のみを使う。豆腐は地元の豆腐店が毎日売りに来てくれる新鮮なものを使うから、豆腐の味がしっかり残っていて美味しい。水分がなくなるまで炒りつけて醤油だけで味付けした、とってもシンプルで田舎風な炒り豆腐。水分を飛ばすのが甘いと冷めてから水分が出てきてしまう。でも父の作るこれは、水分が全く出てこず、豆腐がゴロゴロとしていておいしい。ごはんに乗せて食べていたが、これのみをスプーンですくって食べるのも好きだった。

日本の素朴な味、炒り豆腐をこしらえましょう。なんておいしくて、やさしい味なのでしょう。

情報源: きほんの炒り豆腐 おいしさとは やさしさ – くらしのきほん

↑このような野菜も入った彩りのきれいな炒り豆腐、今度の帰省で父に作ってあげよう。

母の味はなにかしら…と考えてみれば、母の味もちゃんとあって、年越しそば用の(それ以外にも母は日常的に作っているけど)蕎麦汁とカレー、生姜焼きがある。こちらはメインのおかずにもなるものが多くて、料理の苦手な母は頑張って作ってくれていたんだなあ。